相続した借地権付き店舗住宅を、店舗部分だけ賃貸した事例
売却・買取・賃貸を比較し、所有者様の希望に合った方法を選択
今回ご相談いただいた物件は、相続によって取得された借地権付きの店舗住宅でした。
建物は鉄骨造で、店舗部分と住宅部分が一体となっている物件です。
所有者様からは、相続後の不動産について、
「地主に買い取ってもらう場合はいくらになるのか」
「不動産会社に売却する場合はいくらになるのか」
「一般のお客様を探して売却できる可能性はあるのか」
「売却せずに賃貸として残す方法はないか」
など、複数の選択肢についてご相談をいただきました。
そこで弊社では、地主による買取・不動産会社による買取・仲介による売却・賃貸という複数の方法を比較し、それぞれのメリット・デメリットをご説明しました。
① 地主に買い取ってもらう場合
まず検討されたのが、借地権の対象となっている土地の地主様に買い取ってもらう方法です。
地主様に買い取っていただく場合、今回のケースでは提示される金額は複数の選択肢の中で最も低い水準でした。
一方で、借地権の売却に伴う地主様との調整などを考えると、所有者様にとって比較的分かりやすい方法でもあります。
所有者様としては、
「価格は低くなるものの、将来的な地主との関係や手続きなどを考えると、負担を減らせる可能性がある」
という点も含めて検討する必要があります。
② 不動産会社に買い取ってもらう場合
次に、不動産会社による買取について査定を行いました。
不動産会社による買取であれば、地主様による買取より高い金額が提示できる可能性があります。
ただし、不動産会社が購入する場合も、購入後の事業性や再販売、賃貸、改修などを考慮して価格を決めるため、所有者様が希望される金額には届かない可能性があります。
今回も、地主様による買取価格よりは高い金額をご提示できる一方、所有者様の希望金額とは差がありました。
③ 仲介で一般のお客様を探して売却する場合
3つ目は、弊社が仲介に入り、一般の購入希望者を探して売却する方法です。
この方法であれば、所有者様の希望に近い価格で売り出すことも検討できます。
ただし、今回の物件には借地権という条件があります。
借地権付き不動産は、土地を所有する一般的な所有権物件とは異なるため、購入希望者が購入条件を慎重に検討することがあります。
また、購入者が住宅ローンなどの融資を利用する場合にも、金融機関や物件の条件によって審査・融資条件が異なるため、購入希望者を見つけるまでに時間がかかる可能性があります。
つまり、
希望する価格で売り出せる可能性がある一方、実際にその価格で購入する人が見つかるかどうかは分からない
という選択肢です。
④ 賃貸として残す場合
もう一つの選択肢が、売却せずに賃貸として所有する方法です。
今回の物件には住宅部分と店舗部分がありました。
賃貸にする場合、建物の手直しや設備などの初期費用が必要になる可能性があります。
一方で、売却せずに所有し続けることで、
賃料収入を得られる
不動産を手放さずに済む
将来的に自分で利用できる可能性を残せる
相続した実家への愛着を残せる
といったメリットがあります。
今回、所有者様には物件への愛着もあり、**「すぐに手放すのではなく、できれば残しておきたい」**というお気持ちもありました。
そこで、建物全体を賃貸にするのではなく、別の方法を検討しました。
所有者様と相談し「店舗部分だけを賃貸」することに

今回の物件でポイントとなったのが、
「建物全体を売却するのではなく、店舗部分だけを賃貸する」
という方法でした。
所有者様は将来的にご自宅部分を利用したいというご希望がありました。
そのため、
住宅部分 → 所有者様の別宅として維持
店舗部分 → 賃貸して収益化
という形を検討しました。
売却してしまえば物件そのものを手放すことになります。
一方、建物全体を賃貸すると、所有者様が将来的に利用したい住宅部分まで貸すことになります。
そこで、現在利用していない店舗部分だけを賃貸することで、所有者様の希望と収益化の両方を考えることができました。
募集すると、さまざまな用途の相談がありました
店舗部分について賃貸募集を開始すると、複数の借主候補からお問い合わせをいただきました。
中には、
「高級自動車の車庫として利用したい」
というご相談もあり、通常の店舗としてだけではなく、さまざまな用途で検討されていました。
ただし、高級車の車庫として利用する場合には、弊社から所有者様に対して、建物の構造や利用状況などを踏まえ、万が一、建物側の原因で車両に傷がついた場合など、オーナー側に責任や損害賠償等のリスクが生じる可能性について説明しました。
単純に「賃料が取れるから」という理由だけで貸すのではなく、実際の利用方法や想定されるリスクまで考える必要があります。
所有者様とも相談した結果、今回の利用方法については慎重に検討することとなり、最終的には高級車の車庫としての利用についてはお断りし、別の利用目的での借主を探すことになりました。
このように、賃貸募集では借主が見つかればよいということではなく、「その利用方法がオーナー様にとって適切なのか」まで検討することが重要だと考えています。
将来的な所有者様の利用を考え、10年間の定期建物賃貸借契約に
今回、所有者様には将来的に物件を利用したいという希望がありました。
そこで、長期間の賃貸によって将来の利用が難しくならないよう、契約期間についても慎重に検討しました。
最終的には、10年間の定期建物賃貸借契約とし、10年経過後については、双方の意向を確認したうえで1年単位で再契約を検討する内容でお貸しすることになりました。
これにより、
「現在は店舗部分を賃貸して活用する」
一方で、
「将来的には所有者様自身が利用できる可能性を残す」
という、所有者様の希望に合わせた運用を目指しました。
※定期建物賃貸借契約は、契約期間満了によって終了する制度であり、期間満了後に引き続き利用する場合は、契約条件に応じて双方合意のうえ再契約する形になります。
住宅部分は所有者様の別宅として維持
今回の大きなポイントは、建物すべてを賃貸したわけではないことです。
住宅部分については所有者様が別宅として利用できるよう残し、店舗部分だけを賃貸しました。
その結果、
不動産を売却せずに所有する
↓
使用していない店舗部分から賃料収入を得る
↓
住宅部分は将来的な利用のために残す
という方法を取ることができました。
賃貸後の管理も弊社が対応
契約して引き渡しを行ったら、すべて終了というわけではありません。
今回の物件については、賃貸開始後の管理についても弊社が対応しています。
実際の利用が始まると、
使用方法についての確認
音に関する相談
建物の利用方法
オーナー様からの要望
借主様からの相談
など、さまざまな問題が発生することがあります。
今回も、利用中の音に関する相談や利用方法についての確認などがあり、弊社がオーナー様と借主様の間に入り、双方の状況を確認しながら、できるだけ円滑に解決できるよう対応しています。
不動産管理では、単に家賃を集めるだけではなく、オーナー様と借主様の双方が安心して利用できる環境を維持することも重要だと考えています。
不動産は「売却」だけが選択肢ではありません
今回の物件では、
① 地主に買い取ってもらう
② 不動産会社に買い取ってもらう
③ 仲介によって一般のお客様を探して売却する
④ 賃貸として所有する
という複数の選択肢を比較しました。
最終的には、所有者様の希望や資産性、将来的な利用予定などを考慮し、
「店舗部分だけを賃貸し、住宅部分は所有者様が維持する」
という方法を選択しました。
不動産には、売却価格だけでは判断できない事情があります。
「いくらで売れるか」だけではなく、
「売却した場合どうなるのか」
「賃貸した場合どうなるのか」
「将来自分で使う可能性はあるのか」
「所有し続けることでどのような費用や管理が発生するのか」
などを総合的に考えることが大切です。
株式会社エクスプレインでは複数の選択肢をご提案します
株式会社エクスプレインでは、不動産のご相談をいただいた際に、最初から「売却」だけを前提にするのではなく、
売却仲介
不動産買取
賃貸
リフォーム
活用
など、物件の状況に応じて複数の選択肢を検討します。
また、賃貸する場合も、単に借主を探すだけではなく、利用方法や契約期間、将来的な所有者様の利用予定、オーナー側のリスクなども含めて検討することを大切にしています。
特に、今回のような借地権付き物件、店舗付き住宅、相続不動産などは、一般的な不動産売買とは異なる点もあります。
「相続したけれど、売却するか残すか迷っている」
「地主に売るべきか、不動産会社に売るべきか分からない」
「売却せず、一部だけ賃貸できないか」
「将来自分で使う可能性がある」
「賃貸したいけれど、借主の利用方法に問題がないか心配」
このような場合も、まずは現在の状況をお聞かせください。
不動産を「売る」だけではなく、その不動産をどう活用するのか。
株式会社エクスプレインでは、所有者様のご希望を伺いながら、さまざまな選択肢を一緒に考えます。

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