top of page

相続した不動産は3,000万円特別控除を利用した方がよい?売却・解体・賃貸の選択肢

explaininc
9月29日
読了時間: 9分

最近、不動産の査定をしていると、

「相続した不動産を売却したい」

「購入した金額が分からない」

「古い家なので解体した方がいいのか」

「売却せずに賃貸にした方がいいのか」

といったご相談をいただくことがあります。

特に相続した不動産の場合、取得した本人が購入した物件ではないため、購入金額や当時の契約書などが残っていないケースも少なくありません。

不動産を売却して利益が出た場合、その利益は原則として譲渡所得として課税の対象になります。

譲渡所得は、簡単にいうと、

売却価格-取得費-譲渡費用-特別控除

などをもとに計算します。

建物については、所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて取得費を計算するため、単純に「購入金額より高く売れた=その差額がそのまま利益」というわけではありません。

相続物件は「購入金額が分からない」ことも多い

相続した不動産では、

「親が何十年も前に購入した」

「購入時の契約書が見つからない」

「いくらで購入したのか分からない」

というケースがあります。

取得費が分からない場合、一定の要件のもとで、売却価格の5%を取得費とすることができます。

例えば3,000万円で売却した不動産で取得費が分からない場合、概算取得費は150万円となります。

そのため、取得費が分からない相続物件では、売却価格がそのまま大きな譲渡所得につながる可能性があります。

だからこそ、相続した不動産を売却する場合には、売却価格だけではなく、売却した場合に税金がどの程度発生する可能性があるのかを事前に確認することが大切です。

3,000万円特別控除という制度

居住用財産を売却した場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度があります。

例えば、一定の要件を満たしたうえで譲渡所得が3,000万円だった場合、

3,000万円-3,000万円=0円

となり、譲渡所得に対する課税がなくなるケースがあります。

ただし、

「不動産なら何でも3,000万円控除が使える」

という制度ではありません。

居住していた期間や売却時期、建物を解体した場合の条件など、さまざまな要件があります。

例えば、以前住んでいたマイホームについては、原則として住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却するなどの要件があります。

相続した空き家にも3,000万円特別控除がある

相続物件については、通常のマイホームの3,000万円特別控除とは別に、

「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除」

という制度があります。

相続または遺贈によって取得した一定の空き家について、一定の要件を満たして売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。

ただし、相続した物件ならすべて利用できるわけではありません。

建物の建築時期、被相続人の居住状況、相続後の使用状況、売却時期など、細かな要件があります。

そのため、

「相続した物件だから3,000万円控除が使える」

と考えるのではなく、売却する前に適用要件を確認することが重要です。

相続した古い家をどう売るか

相続した物件が築年数の経過した古い住宅の場合、売却方法として大きく、

① 古家付き土地として売却

② 中古戸建として売却

③ 建物を解体して更地として売却

という方法があります。

それぞれにメリット・デメリットがあります。

① 古家付き土地として売却

建物を残した状態で、

「古家付き土地」

として売却する方法です。

売主としては、

「建物は古いので土地として売りたい」

と考えていても、買主側は必ずしも同じ考えとは限りません。

例えば、5LDKなど比較的大きな住宅の場合、新築で同程度の住宅を建てようとすると、多額の建築費が必要になることがあります。

その場合、

「建物を解体して新築する」

のではなく、

「現在の建物をリフォームして使う」

という選択肢が買主側に出てくることがあります。

そう考えると、最初から解体してしまうことで、せっかくの買主の選択肢を狭めてしまう可能性があります。

② 中古戸建として売却

建物を残して、

「中古戸建」

として売却する方法です。

建物をそのまま利用したい方や、購入後にリフォームしたい方をターゲットにできます。

一方、築年数が古い住宅では、耐震性などを気にする買主もいます。

また、3,000万円特別控除については、建物を残す場合・耐震改修を行う場合など、それぞれに細かな要件があります。

そのため、

「耐震補強をすれば必ず3,000万円控除が使える」

と単純に考えるのではなく、実際の物件について税理士などに確認することが必要です。

③ 建物を解体して更地で売却

建物を解体して、

土地として売却する方法

です。

古い建物を残さないため、買主は建物の状態を気にする必要がなく、新築用地として検討しやすくなります。

また、相続した空き家については、一定の要件を満たせば、建物を取り壊して敷地を売却する場合にも3,000万円特別控除の対象となる制度があります。

ただし、ここでも重要なのが、

「解体すれば必ず3,000万円控除が利用できる」というわけではない

ということです。

また、解体するタイミングについては、固定資産税の問題も考えなければなりません。

先に解体すると固定資産税にも注意が必要

住宅が建っている土地には、一定の要件を満たす場合、住宅用地に対する固定資産税の特例があります。

そのため、

「とりあえず先に解体して更地にしておこう」

と考えると、売却までの期間によっては固定資産税などの負担に影響する可能性があります。

つまり、

解体した方が売却しやすいから、すぐに解体する

というだけではなく、

「いつ解体するのか」

「いつ売却できそうなのか」

まで考えて判断する必要があります。

弊社が考える「解体更地渡し」という方法

そこで弊社が相続物件などで検討することがあるのが、

「売主による解体更地渡し」

という売却方法です。

これは、最初から建物を解体してしまうのではなく、建物がある状態で売却活動を行い、買主が決まった段階で、売主側で建物を解体して更地で引き渡す方法です。

この方法であれば、

古家を利用したい買主

「建物をリフォームして使いたい」

という希望がある場合には、建物を残した状態で検討してもらえます。

新築したい買主

「建物は必要ないので土地として購入したい」

という場合には、解体して更地で引き渡すことを検討できます。

つまり、

①古家付き土地②中古戸建③更地

という3つの売却方法の可能性を、最初から一つに絞らずに販売活動を行う方法です。

これが、弊社が相続した古い住宅などで検討することのある、

「売主による解体更地渡し」

です。

もちろん、実際にこの方法が適しているかどうかは、物件の立地・建物の状態・買主層・解体費用・売却時期などによって変わります。

売却だけではなく「賃貸」という選択肢もあります

相続した不動産については、

「売却する」

だけが選択肢ではありません。

物件によっては、

「リフォームして賃貸する」

という方法もあります。

実際に弊社でも、相続した不動産について、

  • 売買査定

  • 買取査定

  • 賃貸査定

をそれぞれ行い、最終的に売却ではなく賃貸を選択されたケースがあります。相続した借地権付き店舗住宅を、店舗部分だけ賃貸した事例

相続した物件だからといって、必ずしも急いで売却する必要があるとは限りません。

例えば、

「現在の売却価格では希望する金額にならない」

「賃貸にすれば毎月の収入が得られる」

「将来的に売却する可能性も残しておきたい」

という場合には、賃貸という選択肢も考えられます。

ただし、賃貸にすると3,000万円控除との関係に注意

ここは非常に重要です。

3,000万円特別控除は、制度ごとに細かな適用要件があります。

特にマイホームを取り壊した後の敷地については、取り壊し後から売買契約までの間に貸付けなどに使用していないことなどが要件とされています。

また、相続した空き家についても、相続後の使用状況などが適用要件に関係します。

そのため、

「一旦賃貸にして、後から3,000万円控除を使って売ればいい」

と単純に考えることはできません。

賃貸にする前に、

売却した場合の税金と、賃貸した場合の収益を比較する

ことが大切です。

「売却・買取・賃貸」を比較して考える

相続不動産について弊社が査定するときには、単純に、

「いくらで売れるか」

だけを見るのではなく、

売却仲介

市場で売却して、できるだけ条件の良い買主を探す。

買取

早期売却を優先し、弊社などの不動産会社が買い取る。

賃貸

リフォームなどを行い、賃貸物件として運用する。

という複数の選択肢を比較します。

さらに、売却する場合でも、

古家付き土地中古戸建解体更地渡し

など、どの方法がその物件に合っているのかを考えます。

相続不動産は「早く売る」だけが正解ではありません

相続した不動産は、

「古いから解体しよう」

「相続したから売ってしまおう」

とすぐに決めるのではなく、

税金・売却価格・解体費用・固定資産税・賃貸収益・将来的な資産価値

などを総合的に考えることが重要です。

特に3,000万円特別控除を利用できる可能性がある物件については、売却方法や売却時期によって取り扱いが変わる可能性があります。

また、相続税が課税された方の場合には、一定の要件を満たすと、相続税の一部を譲渡した財産の取得費に加算できる「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」が利用できる場合もあります。

そのため、相続した不動産を売却する場合は、できるだけ早い段階で専門家に相談することをおすすめします。

エクスプレインでは相続不動産を多角的に査定します

株式会社エクスプレインでは、相続した不動産について、

売却仲介・買取・賃貸

のそれぞれの可能性を査定しています。

さらに、

「古家付き土地で売るのか」「中古戸建として売るのか」「解体して更地にするのか」「解体更地渡しにするのか」「売却せず賃貸するのか」

など、物件の状況に合わせて売却方法・活用方法を検討します。

相続した不動産について、

「購入価格が分からない」

「3,000万円特別控除が使えるのか知りたい」

「古い家は解体した方がいいのか」

「売却と賃貸のどちらがいいのか」

「買取と仲介のどちらがいいのか」

など、お悩みがございましたらお気軽にご相談ください。

不動産会社としての査定だけではなく、必要に応じて税理士・司法書士・弁護士などの専門家とも連携しながら、相続不動産の売却・活用方法を一緒に考えていきます。

※本記事は不動産売却に関する一般的な情報を紹介するもので、個別の税務判断を行うものではありません。3,000万円特別控除には複数の適用要件があります。実際に利用できるかどうかについては、売却前に税理士または税務署等へご確認ください。

最新記事

すべて表示
【大阪市・城東区】借地権を売りたい!地主との交渉や売却方法の疑問をプロが解説

「先祖代々引き継いできた借地権を売却したい」 「地主さんに話を通さずに売るとどうなる?」 「大阪市内で借地権や底地の買取・売却を相談できるところを探している」 大阪市内でこのようなお悩みをお持ちではないでしょうか? 借地権(土地を借りて建物を所有する権利)は、所有権の不動産と比べて複雑な権利関係が絡むため、「どう動けばいいかわからない」というご相談を多くいただきます。 この記事では、借地権をスムー

 
 
 

コメント


bottom of page